こんにちは、メルシーです。
大きな盛り上がりを見せている関西万博!その英国パビリオンで先日まで開催されていた特別展「I AM. WE ARE. LIBERTY.」へ、私たちも足を運びました。
ロンドンの本店から巡回してきた、約6万点のアーカイブから厳選された珠玉のコレクション。その知的好奇心を刺激する展示の様子を、改めてレポートとしてお届けします!

会場となった英国パビリオンは、1階にレストラン、2階にバーを備えた、洗練されたデザインの優雅な空間が広がります。
当日はマネージング責任者の挨拶でレセプションの幕が開き、集まった人々がリバティ・ファブリックスを囲む、まさに祝祭のような雰囲気!
当初の予定では3階に移動しながら展示解説も伺うはずでしたが、皆様の想いが溢れて挨拶や歓談が弾んだこともまた、このイベントの熱量を物語っているかのようでした。
今回の展示は、美術史家のエスター・コーエンとシルヴィア・スパニョールがキュレーションを手がけ、150年の歴史を3つのテーマで紐解く、知的な旅そのものでした。
3階の展示会場は、リバティ・ファブリックスの歴史を凝縮した、まさに宝箱のような空間です。19世紀の貴重なアートワークからパターンブックまで、厳選された300点以上のアーカイブがずらり。その一つひとつが物語を秘めており、時間を忘れて見入ってしまいます。
会場では、リバティ・ファブリックスの歴史が以下の3つのテーマに分けて紹介されていました。

創業者アーサー・ラセンビィ・リバティが日本文化から受けた影響を示す資料から、1965年にイヴ・サンローランのガウンに使われたデザイン画まで、リバティ・ファブリックスの世界観の原点に触れることができます。世界中の美が、一枚の布の上で融合する様は圧巻の光景です!

リバティ・ファブリックスの代名詞である、自然をモチーフとしたデザイン群。アール・ヌーヴォーから続く緻密な花柄、そして盟友でもあったウィリアム・モリスの貴重なタイル作品は、時代を超越した美しさを放ちます。馴染み深いモチーフの奥深さを再発見できる、貴重な空間となっていました。

デヴィッド・ボウイが纏ったことで伝説となった『ジギー・スターダスト』の衣装生地や、デザイナーのバーナード・ネヴィルが手掛けたモダンなデザイン。リバティ・ファブリックスがファッションやカルチャーシーンに与えた影響は計り知れず、一枚の布が持つ物語の力に、改めて圧倒される思いでした。

今回の展示で特に象徴的だったのが、天井から吊るされた大きなテキスタイルです。
これらは今回のために、キュレーターが過去のアーカイブ柄を厳選し、現代的に再解釈した特別な一枚でした。
しかし、その一枚が持つ特別な意味についての説明は、どこにもありません。その「余白」こそが、キュレーターからの「なぜこの柄を選んだのか、考えてみてほしい」という、言葉のない問いかけだったのかもしれません。
初めてリバティ・ファブリックスに触れる方には少し不親切に感じられたかもしれませんが、説明がないからこそ想像が膨らみ、理屈ではなく感性で一枚の布をじっくりと味わう、そんな楽しい時間が生まれていたように思います。

ディスプレイの中に並んだ、時代を超えて受け継がれてきた貴重な生地たち。その一枚一枚が持つ創造のエネルギーには、改めて目を見張るものがありました。
リバティ・ファブリックスの揺るぎない魅力の原点に触れると同時に、150年の歴史を経てなお、そのデザインが未来に向かって進化し続けていることを確信する、素晴らしい機会となりました。
これからもどんな驚きと美しさを世界に届けてくれるのか、期待に胸が膨らみます。
